講演・学会レポート

アライナー矯正認定協会フォーラム2026にて講演しました

アライナー矯正認定協会(ABAO)は、アライナー矯正(マウスピース型矯正装置を用いた矯正治療)の専門性と治療水準の向上を目的として、昨年設立された組織です。私も設立メンバーの一人として参加しています。

ABAOは、ヨーロッパにおけるアライナー矯正の学術団体の考え方を参考にしながら、アジアにおいてアライナー矯正を適切に行うための知識や技術を普及させ、専門性を担保する認定医制度を確立していくことを目的としています。

アライナー矯正は、この20年ほどの間に急速に普及してきた比較的新しい矯正治療法です。一方で、装置そのものが治療を行ってくれるわけではなく、適切な診断や治療計画、歯の動きをコントロールするための矯正学的な知識が非常に重要になります。そのため、アライナー矯正が正しい形で社会に広がり、患者さんが安心して質の高い治療を受けられる環境を整えていくことは、これからの矯正歯科にとって大切な取り組みの一つではないかと考えています。ABAOでは、そのような考えのもと、アライナー矯正の治療精度を高めるためのさまざまな学術活動や情報発信を行っています。

そして今回、東京で開催された「ABAO Forum 2026」にて、私も講演を行ってまいりました。

今回のテーマは、「アライナー矯正とマルチブラケット治療(ワイヤー矯正)におけるバイオメカニクスの比較」です。

同じ矯正治療であっても、アライナーとワイヤーでは歯に力を加える仕組みが異なります。そのため、それぞれの装置の特徴を理解せずに同じような考え方で治療を行うと、思った通りに歯が動かないことがあります。

今回の講演では、特に小臼歯抜歯症例を例にしながら、アライナーとワイヤー矯正ではどのように力のかかり方が異なるのか、また、その違いを治療計画にどのように反映させるべきなのかについて、私自身の臨床経験も交えながらお話ししました。

今回のフォーラムはABAOとして開催する初めての大きな学術イベントであり、今後はアジアにおけるアライナー矯正の情報発信の場として発展していくことが期待されています。来年は、日本国内だけでなく、アジアを中心とした海外の先生方にも参加していただく国際的なフォーラムとして開催される予定です。

その意味でも、今回の第1回フォーラムは今後のABAOの方向性を示す非常に重要な会合でした。

設立メンバーの一人として、「最初のフォーラムでしっかりとした講演をしなければ」というプレッシャーもあり、講演内容の構成や資料作成にはかなりの時間を費やしましたが、なんとか無事に自分の役割を終えることができ、今は少しほっとしています。

私自身、アライナー矯正を日々の臨床で数多く行っていますが、新しい治療方法だからこそ、経験だけに頼るのではなく、矯正学の基本となる診断やバイオメカニクスを大切にする必要があると考えています。

こうした学術活動を通じて得た知識や経験を、当院で治療を受けていただく患者さんにも還元し、より安全で精度の高い矯正治療をご提供できるよう、これからも研鑽を続けていきたいと思います。

理事長 久保田 衛

  • 医療法人プライムオルソ 理事長
  • 日本矯正歯科学会 認定医
  • インビザライン公認クリニカルスピーカー
  • カンボジアプティサストラ大学臨床教授

医療法人プライムオルソ くぼた矯正歯科クリニック

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