インビザラインコラム

第10回 マウスピース矯正と舌側矯正にはどんな違いがあるの?

‶矯正治療で歯並びを綺麗にしたいけれども、できれば矯正装置のワイヤーが目立たない方法で治療をしたい”、という希望は矯正治療を受ける患者様の多くが持っておられます。この要望にお応えするための代表的な治療法には、舌側矯正治療(裏側矯正治療)とマウスピース矯正治療の2つが挙げられます。舌側矯正とマウスピース矯正の中にも更に様々な装置があるため、インターネットで目立たない矯正を検索するとかなり多くの治療方法が見つかると思います。数多くの治療法の中で、一体どの治療法がご自身に合った治療法なのかを判断することは難しいと感じるのではないでしょうか。

まずは、大きな括りで舌側矯正治療を説明させて頂きます。

 

従来の矯正治療では、歯の表側にブラケットと呼ばれる矯正装置を歯の表面に接着し、その装置にワイヤーを通すことで歯の移動を行っています。舌側矯正治療ではブラケットを歯の裏側に接着することでワイヤーを目立たないようにして治療を進めていきます。装着したワイヤーをレールにしてゴムやバネを使用して歯を移動したり、場合によっては形状記憶性のあるワイヤーを用いることでワイヤーから発生する力を利用して歯の移動を行います。

舌側矯正には、さらに上顎のみ裏側にブラケットを装着する方法と、上下顎両方とも裏側に接着する方法があります。上下顎を裏側にするとより装置は目立ちにくいのですが、その反面、舌にブラケットやワイヤーが接触するため上顎のみ裏側にした場合よりも違和感が大きくなります。そのため舌側矯正では一般的には上顎のみ歯の裏側に装置を装着し、下顎には表側に装置を接着して治療を進めることが多いです。
舌側矯正治療はワイヤーを用いた治療なので、表側の矯正治療と同等の歯の移動が可能で、ドクターの技術にかなりの差はあるのですが、基本的にはすべての症例について対応が可能です。

次ぎに、マウスピース矯正について説明致します。

マウスピース矯正では、ワイヤーを用いて治療を進めるのではなく取り外しが可能な半透明のマウスピースを使用して歯を移動して行きます。一つのマウスピースでは大きな歯の移動は出来ないため、歯の移動が起こる度に新しいマウスピースを装着することで連続した歯の移動を行うことができます。歯の表面にブラケットを接着しないため、ワイヤー等の金属装置も使用しません。そのため矯正装置が目立つことはなく、ブラケットやワイヤー等の固定式の装置による違和感もありません。

マウスピース矯正では通常、治療前の段階から理想的な歯並びになるまでの移動様式を治療前にシミュレーションを用いて検討し、シミュレーションに応じたマウスピースを製作するため、歯の移動を事前に正確に予測することが必要です。一見、単純に見えるのですが、事前にすべての治療過程を設計する必要があるため、より経験と知識が必要な治療方法です。

マウスピース矯正の歴史は比較的浅いため、ワイヤーによる矯正と比較するとまだノウハウが確立されていません。特に抜歯が必要となるような矯正治療はやや苦手としており対応できない症例も存在します。しかし装置が目立たず、違和感や痛みなどの不快症状が軽いため非常に喜ばれる治療方法です。

マウスピース矯正と舌側矯正の比較をご覧頂きましょう。

表を見て頂くと分かるように、必ずしもどちらが一方的に優れているという訳ではありません。インビザラインでは対応出来ない症例もありますし、舌側矯正は違和感が大きく慣れるまでは患者様にとって大変な治療でもあります。

装置が目立つことを気にされなければ通常のワイヤー矯正もありますし、まずはご自身が重要だと思われることを整理された上で矯正医にご相談頂き、ご自身が納得出来る治療方法を選択されることをお勧め致します。