インビザラインコラム

第14回 インビザライン治療で使用するアタッチメントって何ですか?

インビザライン治療では、定期的にマウスピースを交換しマウスピースの形状と同じ状態に歯が移動することで少しずつ歯並びが変化していきます。単純に歯列にマウスピースを装着しただけでは、歯をマウスピースの形状に合った状態にきっちりと移動させることができません。予定した位置に移動させるためには、歯とマウスピースがずれることなく一致し続けることが必要で、マウスピースの形状から歯並びがずれないようにする細工が非常に重要になってきます。

 

インビザライン治療では、マウスピースと歯列のズレを防ぐ目的で歯の表面にアタッチメントという突起を接着します。歯の表面に設定したアタッチメントとマウスピースの凹みがぴったりとはまり込むことで、マウスピースの微妙な形状の変化に合わせて歯を移動がすることが可能になります。

インビザラインアタッチメント

1.アタッチメントは天然の歯に近い色です

アタッチメントはコンポジットレジンという虫歯の治療の際に詰め物として使用する材料で作ります。天然の歯と近い色のコンポジットレジンを使用するため歯の表面にアタッチメントを接着しただけではほとんど目立ちませんが、アタッチメントの上にマウスピースを装着するとマウスピースの厚みで影ができ何か歯の表面に着いているように見えます。遠目では分かりませんが、インビザラインのことを知っている人が見れば近距離だと歯の表面のアタッチメントを認識できると思います。

きっとご自身でインビザラインを使用している方なら、他人がインビザラインを使用しているのが分かったり、テレビで芸能人がアップで写った際にインビザラインを使用していることに気づいたことがあるのではないでしょうか。最近では非常に多くの芸能人がインビザラインを用いて歯並びの治療をしており、しばしばテレビでもそういう方を目にするようになりました。

 

2.アタッチメントの設置は、歯の表面を削ることなく接着剤でつけます

アタッチメントは歯を削ることなく接着剤で歯の表面にくっつけているだけなので、矯正治療が終われば取り外します。取り外してしまえば完全に元の状態に戻るので特に心配する必要はありませんが、治療後に撤去することを前提にして接着しているため場合によっては治療中にアタッチメントが脱落してしまうことがあります。もちろん治療上必要だからアタッチメントを装着しているので、脱落した場合には再度設置する必要があります。

金属などの被せ物は接着剤との相性が悪く、なかなか接着しないことがあります。その場合には仕方なく被せ物の表面に傷をつけて接着せざるを得ない場合があります。程度によっては矯正治療後に被せ物を作り直すことになる場合もあります。

 

アタッチメントは上記のように歯並びとマウスピースがずれなくすることを目的にしていますが、実はズレを防ぐ以上に大きな役割を持っています。これはインビザラインで治療を行う歯科医師が理解しておく必要がある内容なので患者様にはそういう役割があるという程度の理解で十分だと思います。アタッチメントとマウスピースの凹みは完全に一致しているわけではありません。アタッチメントとマウスピースの凹みには斜めに接することで力が発生するような斜面が設定してあり、この斜面が少しずれて接することで歯が移動する力が発生するように設計されています。移動させる向きによってもアタッチメントの形状が異なるため、インビザラインで治療中の患者様の歯の表面には基本は長方形ですが、そのほかにも様々な形状のアタッチメントが設置されています。

患者様によってはマウスピースがずれないように注意して使用するので、アタッチメントは無しで治療して欲しいと希望される方がいますが、アタッチメントから発生する力を利用して歯の移動を行なっているためアタッチメント無しでの治療は不可能です

 

3.アタッチメントがついていても食事制限はありません

また、アタッチメントを装着すると食事に何か支障があるかを気にされる方もいらっしゃいます。接着剤でついていて脱落することがあると書きましたが、基本的に接着力が強い材料を使用しているため、食事で簡単に脱落することはありません。食事はマウスピースを外して食べていただくので食事制限なく何でもお好きなものを召上がれます。

もちろん歯磨き程度の圧で脱落することもないので、歯磨きは普段通りで大丈夫です。むしろ、アタッチメント周囲には歯垢が残りやすいので通常より丁寧に磨くくらいの気持ちでお過ごしいただくのが理想的です

 

 

人間の口の中の感覚は非常に敏感です。歯の表面に突起がつくと想定していた以上に不快感があるとおっしゃる方も一定数いらっしゃいます。また、見た目も全く見えない訳ではないので、審美的に不満を感じる方もいらっしゃいます。

しかし、矯正治療は歯並びを整えるという医療行為であり、患者様が希望するからと言って思い通りになる訳ではありません。インビザライン治療では100%アタッチメントは必要です。どこの歯に設置するかはケースバイケースなのですが、前歯につけたくないので無しにして欲しいと希望されても大抵の場合は必要に応じて設置することになります。矯正治療が終了すればアタッチメントはなくなりますので、治療を希望される場合には、その辺をご理解いただき治療に臨んでいただけると我々矯正医としては大変ありがたいです。

 

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院長 久保田 衛

  • 医療法人プライムオルソ 理事長
  • 日本矯正歯科学会 認定医
  • インビザライン公認クリニカルスピーカー
  • カンボジアプティサストラ大学臨床教授

医療法人プライムオルソ くぼた矯正歯科クリニック

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