インビザラインコラム

第24回 インビザラインの費用はいくら? 相場はどのくらい?

要約(クリックすると開きます。)

インビザラインの治療費用は医院によって異なり、最低でも60万円から、場合によっては150万円以上かかることがあります。しかし、価格が高いからといって必ずしも品質が高いわけではなく、また安いからといって品質が低いわけでもありません。重要なのは、医院と信頼関係が築けそうか、患者様が望む治療結果を得られるかどうかです。

費用には矯正相談料、検査・診断料、基本施術料、追加アライナーの費用、保定装置代(リテーナー代)、保定観察料などが含まれます。これらの費用は医院によって異なり、一部は無料の場合もありますが、通常は別途料金がかかります。

治療を受ける前には費用の内訳を確認することが重要です。特に、基本施術料に何が含まれているか、追加料金が発生する可能性があるかなどを事前に把握しておく必要があります。

本記事の目的

仙台で矯正歯科を探されていて、料金を気にされている方に向けて、矯正治療を行うために必要な費用を診療の流れに沿って、当院の視点から書いております。

具体的には、矯正相談料、検査・診断料、基本施術料の順で書いております。

初めに

グーグルで様々な医院のホームページを検索すると、インビザラインが通常ではありえないほど低価格で提供されている医院があったりします。高いから良い、安いから質が低いという訳ではありません。最も大切なことは患者様が希望した治療結果を得ることができるかだと思います。

すべての費用を合計するとインビザランの治療は最低でも60万円、場合よっては150万円以上も必要な医院もあります。実際に治療を受けられる際は料金トラブルにならないよう事前説明が整っている医院がお勧めですし、説明が不足していると感じた場合にはご自身から料金について確認されることが必要です。

今回のブログでは、2023年1月現在でのインビザラインや他のマウスピース矯正の費用の相場についてネットサーフィンで調べてみたので、調査結果について書いてみたいと思います。

 

 

 

診療の流れに沿った費用の説明と見解

① 矯正相談料

矯正治療を受けたいと思った場合、通常は矯正相談という形で歯科医院を受診し、ご自身の矯正治療について説明を受けたうえで治療を行うか検討されることになります。矯正相談は無料の医院もあれば有料の医院もありますが、矯正相談については無料で設定されている医院が多いように思います。有料の医院でも相談料が1万円を超える医院は聞いたことがありません。

最近では何軒も矯正歯科クリニックを巡ってからどこで治療を受けるのかを決める方も多いので数千円とはいえ重なるとそれなりの出費になりますが、患者様が多い医院では大勢の方が矯正相談に来られることもあり、有料にせざるを得ないという事情もあります。ちなみにくぼた矯正歯科クリニックでは矯正相談は無料で行っております。

 

② 検査・診断料

矯正相談で納得されて無事に治療を受ける医院が決定すると、次に行うのは精密検査です。

精密検査では、レントゲン、口腔内写真、顔面写真、CT撮影、歯並びの型取り、口腔内のスキャンなど、治療方針を決定するために必要な検査を行います。検査項目は医院の設備や先生の考え方によって異なるため医院によって多少内容は異なります。精密検査の料金も医院によってかなりの差があります

 

検査が終わると、歯科医師は検査結果を分析し患者様の状態に合わせて治療方針を立案します。導き出した治療方針を患者様に説明することになりますが、この説明の過程までを含めて診断と言います。

精密検査と診断は別々の日に行うことになるため、通常は分けて支払うことになりますが、まとめて請求する医院も多いようです。別々に請求する医院の場合、検査料の相場は数千円〜5万円くらいとかなりの差があります。診断料についてもやはり価格に差があり、3万円〜5万円くらいが相場のように思います。

あくまで感覚論ですが、検査料と診断料を合算すると、矯正歯科クリニックだと3万〜7万円くらいが一般的で、一般歯科医院では1万〜3万円くらいが相場のように思います。

 

まれに検査・診断を行わずにいきなり矯正治療を開始する医院があります。その場合には検査診断の費用は存在しません。矯正歯科クリニックではまずそういうことはありませんが、まれに事前の説明なく治療に入る医院があるようです。検査診断を行わずに矯正治療ができない訳ではありませんが、矯正治療はドクターが一方的に治療方針や治療ゴールを決めて進んで行くわけではありません。患者様の求めるものを歯科医師が理解し、さらに診断で患者様の要望とドクターの意見をすり合わせつつ実際の治療方針が決定します。ですから、検査診断という過程を省略して治療を行うということはどこを目指して治療を行うか患者様には理解ができていないはずです。

阿吽の呼吸で通じ合っているなら良いのですが、なかなかそういう関係を初めて治療を受ける医院で期待するのは難しいはずです。検査診断という過程がない場合には注意された方が良いかもしれないというのが私からのアドバイスです。決して検査診断料がかからなかった分、無駄な支払いがなくて良かったという話ではありません。

 

③基本施術料

治療方針が決定し、実際の治療が始まると基本施術料を支払うことになります。医院によって名称が異なり矯正基本料となっている場合もあります。とにかく矯正治療を始める際に発生する基本料金で、それぞれの医院でこの基本料金の中に含まれているものとそうではないものがあり、明確なルールがある訳ではないため基本施術料だけで見るととものすごく大きな価格差があります。ここでは、基本施術料に含まれているかどうか確認が必要な料金を分けて説明致します。

 

・インビザライン製作費

インビザランの場合は治療前に治療過程のすべてのマウスピースを製作します。基本施術料にインビザランの最初の製作費が入っていないことはまずないと思いますが、まれにマウスピースをお渡しする度にマウスピース代を請求する医院があります。インビザラインを治療装置に使用している医院ではマウスピース代を請求する医院は少数派ですが、キレイラインなど毎回の診療毎にマウスピース製作するタイプのマウスピースを使用している場合にはマウスピース代が必要になる方が一般的です。

実際の治療ではマウスピースの他にもボタンやゴムなどを別の矯正装置がいくらか必要で、基本施術料にこれらの料金が含まれていることが多いですが稀に別料金の場合もあります。

 

・調整料

次に基本施術料に含まれているか確認が必要な料金として、治療の技術料にあたる調整料があります。診療毎に請求する医院もあれば、月額いくらという設定になっている医院もありますし、治療期間中には請求がなく最初の基本施術料に含まれている医院もあります。くぼた矯正歯科クリニックでは調整料は基本施術料に含めて頂いておりますので毎回の診療では料金が発生することはありません。そのような料金設定のことを総額制といいます。私の知る限りでは総額制の医院は比較的少数派で調整料が必要な医院の方が圧倒的に多いように思います。調整料は請求毎に数千円から高くても6千円程度が相場だと思います。調整料は毎回の支払い自体は高額ではありませんが、矯正治療期間中にそれなりの回数支払うことになりますので、合計すると少なくとも数万円単位の費用になります。治療を決める前に料金設定を確認されたほうが良いと思います。

 

・追加アライナー

次に確認が必要な費用として、追加アライナー時の費用があります。インビザライン治療では治療が進むにつれて少しずつマウスピースが歯並びに対してズレが生じて来ます。ある程度ずれてしまうと計画通りに歯を移動させることがむずかしくなるため、治療計画を一新してすべてのマウスピースを作り直します。この過程を追加アライナーと呼びます。

この追加アライナーは不慮の事態ではなく、最初から治療計画の一部といって良いものです。ですから理想的な歯並びに整える過程ではほぼ確実に必要です。

追加アライナーを行う際に、料金が発生する医院もあり、その場合には1〜3万円程度の費用が一般的です。調整料に含まれている医院もありますし、総額制の医院の場合には追加アライナーの費用も料金に含まれております。追加アライナーは数回行う場合もあるため費用が発生する場合には高額になる場合もあります。追加アライナーの費用が別途必要かどうかは事前に確認されたほうが無難だと思います。

 

・保定装置代(リテーナー代)

さて、追加アライナーを経てようやく矯正治療が終了したとして、その時にも基本施術料に含まれているのか確認が必要な費用があります。

矯正治療では治療終了後に綺麗に並んだ歯並びを維持するための保定装置(リテーナー)を使用して歯並びが崩れないようにする必要があります。保定装置はいろいろなタイプがあり医院よって使用している保定装置は異なります。医院で製作する比較的安価なリテーナーを使用する医院が多いですが、インビザライン社が製作するビベラリテーナーを使う医院もあり、ビベラリテーナーは高額で上下1組2〜3万円程度する装置です。これらのリテーナーが基本施術料に含まれているかどうかは医院によって異なります。

くぼた矯正歯科クリニックでは医院で製作するリテーナを使用する場合には最初のリテーナーは代金を頂いておりませんが、ビベラリテーナーを希望される場合には上下一組1万5千円程度必要になります。

リテーナーの費用は基本施術料に含まれている医院の方が少ないので、治療が終了した際に想定外の費用が必要になったということを避けるためにも事前確認した方が無難です。

 

・保定観察料

さらに矯正治療後には年に数回程度、歯並びの状態が安定しているか確認する目的で定期検診が必要です。咬合状態の確認に合わせて歯のクリーニングを行うことが一般的です。料金としては3千円から5千円程度の費用が掛かることが一般的です。

この定期検診は半永久的に通院することをお勧めする医院もあれば3年程度で終了にする医院もあります。この料金についても基本施術料に含まれないことが多いです。負担になるかもしれませんが、せっかく治療して綺麗に並んだ歯並びが崩れてしまっては元も子もありません。しっかりと通院されることをお勧めします。

 

さて、上記の基本施術料の相場を確認するとインビザラインの場合には、60万円〜120万円くらいに大多数の医院が該当します。2倍の価格差があるため非常に大きな差のように感じますが、内容をよく確認すると総額制の医院では基本施術料が高額になり、基本施術料に含まれているものが少ないほど低額になる傾向があります。一見すると安価に見える料金でも調整料が必要だったり追加アライナーの費用が必要だったりして合算するとかなり高額になる医院も私が調べた中には散見されました。諸々を合算すると基本施術料は80万〜110万円くらいが相場かなというのがネットサーフィンで調べた感覚でした。

 

 

院長 久保田 衛

  • 医療法人プライムオルソ 理事長
  • 日本矯正歯科学会 認定医
  • インビザライン公認クリニカルスピーカー
  • カンボジアプティサストラ大学臨床教授

医療法人プライムオルソ くぼた矯正歯科クリニック

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